セミナー・勉強会

第5回北杜パリアン在宅ケア連続勉強会 2025年9月22日

 独居シリーズ3 相談外来で行うこと

 今回は在宅ホスピスケアを開始するときに行う「相談外来」の説明をしました。ここを疎かにしてEasyな形で在宅ホスピスケアを開始すると、途中で困難にぶつかり、在宅ケアを中断せざるをえなくなることがあります。特に独居患者の場合には、その恐れが強いのです。内容は以下の通りです。

 1.「相談外来の位置づけ」と「私が行っていること」

 2.「困難事例」のスクリーニング

 3.置かれた状況の説明

 4.可能な選択肢(医療内容、療養場所など)の提示

 5.納得のいく決断の支援と、その実現の道筋提示

 6.独居故の配慮事項・家族状況を基にしたタイプ分類

 

第4回北杜パリアン在宅ケア連続勉強会 2025年6月23日

 独居シリーズ2 わが家死を望む独居患者の自己決定支援 -ACPについて-

 「一人暮らしになったとしても、私はどんなことがあってもわが家死を望む。」元気な時にそのようにはっきりと宣言していたとしても、それだけで問題は解決するのでしょうか。

 たとえば夫婦二人暮らしをしていた方のどちらか一方が亡くなった場合、もし残された方がその時「自分の意志をはっきり表明することができない」としたら、元気な時のその方の気持ちをわたしたちはどのように取り扱えばよいのでしょうか。またその時点で、誰がその方の気持ちを代弁するのでしょうか。

 問題を独居患者に絞って考えましたが、医療の現場では自己で意思決定できない患者が病院の外来に運び込まれ、病院の医師は何をしたらよいのか、誰に相談すればよいのかわからず、混乱することがしばしばあります。そのようなことが起こらないようにするための準備の過程をACP(Advance Care Planning)といいます。一人暮らしの方では、特に大切ですね。

 ACPを日本の医療の中でどのように位置づけるか、については長年議論されてきました。ACPに対して日本語では「人生会議」という言葉があてがわれていますが、世界に目を向けて歴史的な流れを理解しないと、このACPを誤解することになります。今回はACPが誕生したいきさつと、日本で「人生会議」という形で語られるようになった経緯を共に考えました。 

第3回北杜パリアン在宅ケア連続勉強会 2025年4月

 独居シリーズ1 独居患者が在宅死を希望する理由

「住み慣れた自宅で過ごし、最期はわが家でお迎えを受けたい」というのは、多くの方の希望です。これを実現するのは難しい一人暮らしの方も、このような希望をお持ちです。なぜでしょうか。実際問題として、自立した生活を続けてきた一人暮らしの方が「これまでのような」生活を続けることが困難になると、「世の常識」に従って住み慣れた場所(北杜市の自宅)を離れて子供たちのところへ移住したり、地域の施設探しを始めたりします。仕方ないと言えば仕方ないのですが、僕は一人暮らしになっても今の自宅での生活継続を優先し、自宅死の実現が可能になる環境を作ろうと考えています。

 僕の希望はさておき、独居の人の在宅死実現を支援する立場としては、まず「なぜ一人になっても在宅生活にこだわるのか」を十分理解する必要があります。今回は、なぜ独居の方が在宅生活の継続を最後まで希望し、在宅死を臨むのか、一人暮らしの方の気持ちになって考えてみました。独居症例は、がん患者2人と認知症高齢者2人です。 

第2回北杜パリアン在宅ケア連続勉強会

 100歳超の高齢者在宅死に学ぶ「平時の介護、緊急時の医療」1

 ケアする家族の心構え、平時における非常事態の発生に対して医療者が果たさなければならない役割、平時と非常時を見極める知恵と家族に伝える技術。これらのことは医療職にも介護職にも求められます。とくに非常時の医療をきちんと行っていれば、救急車や警察車両の出動は必要ありません。実践を通してそのことを学ぶのが、今回の勉強会の目的です。

 101歳の女性が、2年超の在宅ケアを受けてご自宅で亡くなりました。主に介護したのは長男の妻です。

 緊急時の入院を経験して退院してきた患者(当時99歳)を「100歳を目標に精一杯看病しよう」という長男の妻の気持ちで、在宅ケアはスタートしました。100歳の誕生日を家族で祝い、「ここまできたら101歳まで頑張ってほしい」とみな願いました。その願いは叶い、めでたく101歳の誕生日を迎えました。だが、長男夫婦は喜びの笑みを浮かべながら「いつまで頑張らなければならないのだろう」と不安を口にしました。偽らざる気持ちですね。

 皮肉にもお迎えの日を数えなければならならない日が訪れ、医師の予想通りそれからほどなくして彼女はご家族に看取られてご自宅で静かにお亡くなりになりました。

  今回学んだことは、経過中に重要なポイントがあり、そこを上手くクリアすれば、患者が望む在宅生活を継続でき、入院の必要もないことです。

 

第1回北杜パリアン在宅ケア連続勉強会

 解離性大動脈瘤患者の在宅死例

北杜緩和ケアセミナー 講義「緩和ケアの歴史と在宅ホスピスケア」抜粋

2022年8月19日、在宅ホスピス研究所パリアン主催の北杜緩和セミナーをZoomにより開催いたしました。

当初は2泊3日で開催の予定でしたが、地域の新型コロナウイルス感染状況を考慮して、Zoomによる半日のみのミニセミナーとして、下記のようなプログラムで開催しました。看護学生さん5名が熱心に参加してくださいました。

 

 講義:緩和ケアの歴史と在宅ホスピスケア 川越厚

 ご遺族が語る在宅での最後の日々(在宅でご家族を看取ったご遺族によるお話)

 講義:看護師の役割(チームアプローチ含む) 川越博美

 参加者の感想・まとめ

 

セミナーでの川越厚医師による講義を抜粋してご紹介します。

なお、川越博美看護師による講義抜粋は、NPO法人在宅ホスピスボランティアきぼうのホームページに掲載されていますので、ぜひご覧ください。

北杜緩和ケアセミナー開催のご案内

セミナーは終了しましたが、参考のため掲載しています。

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第1回北杜緩和ケアセミナー案内
第1回北杜緩和ケアセミナー案内202208.pdf
PDFファイル 127.7 KB

医学・看護学の大学生・大学院生を対象とした、在宅緩和ケア・ホスピスケアに関するセミナーを八ヶ岳山麓、標高1000メートルの北杜山荘で8月の3日間開催します。

参加申し込みは締め切りました 。

  

 テーマ:医学生・看護学生のための ”在宅ホスピスケア入門セミナー

 日 時:2022年8月19日(金)PM~21日(日)AM

 会 場:在宅ホスピス研究所パリアン(北杜山荘)

      山梨県北杜市高根町長澤(最寄駅:JR小海線甲斐大泉駅)

 募集人員:医学生3名、看護学生3名 (大学院生を含む)

 参加費:資料代実費(2,000円)、会場までの交通費(自己負担) ※宿泊費・食費は原則無料

 内 容:

ホスピスケアとは『死が間近い患者と家族に対して行われる、QOL(生活の質)を改善するための、ケアチームで行われる全人的なケア(Total care)』の ことを言います。そのケアは『ともに喜び、ともに泣く』という精神に支えられ ています。将来、医師、看護師として向き合わざるを得ない“死”について、八ヶ岳南山麓、標高1000メートルの北杜山荘で仲間と共に学びましょう。

 

【セミナープログラム】

  在宅ホスピス医・看護師による講義

  ビデオ鑑賞(在宅ホスピスケアー家庭で看取ることー )

  ご遺族の体験談、ロールプレイ、地域の方々との交流会

  周辺ドライブ、散策など

  宿泊:北杜山荘、NPO法人きぼうボランティア宅

 

 ■新型コロナウイルス感染防止対策について

 ・セミナー中は基本的感染防止対策(換気、3密の回避、必要時のマスク着用、手洗い、消毒等)を徹底します。

 ・参加者の方には、可能でしたら事前に検査で陰性であることの確認をお願いします。当方でも抗原検査キットによる確認が可能です。

 ・その他詳細は、参加が決定した方にご連絡いたします。

 ・ご不明な点は下記の申し込み・お問い合わせフォームにてお問い合わせください。